作品1エッセイ

 今日は昨日みんなの前で読んだある生徒のエッセイを紹介しよう。
 「ヨン様ブームに思う」   A子さん
 「近頃メディアをにぎわす韓流ブーム。その火付け役がいわゆる「ヨン様」である。ヨン様というネーミングはメディアが生んだのか、ファンが生んだのか、定かではないが、もう一種の宗教団体のようだ。白く輝く歯と少し茶色がかった髪、そして知的さを漂わすあのメガネ。ファンにとって彼はきっと見知らぬ国から来た白馬の王子様なのだろう。
 ヨン様ファンのほとんどは年輩の女性方である。だが私にしてみれば、「どこがいいの?」という感じだ。最近人気の俳優やアイドルなんて目が大きくてメガネなんてかけていない。それでも、おばさま方には彼がいいらしい。よくよく見てみれば、顔は整っているし、少し体つきは華奢な気もするが、清潔感はある。分からなくはない。だとしたら彼女達は若い頃の気持ちを思いだし、再び青春を味わっているというのか。ヨン様ブームの火付け役となったドラマ「冬のソナタ」は今の時代、古いと言われがちなラブストーリーだし正にそうだとしか思えない。
 ちなみに、私はヨン様ファンではない。確かにさわやかだとは思うが、・・・・。あのメディアの盛り上げようも気に入らない。オリンピックで活躍した選手を彼にあやかって「ヨネ様」なんてつけた時にはあきれた。何はともあれ、おばさま方にとって微笑みの貴公子である彼は、私にとって、愛想笑いの貴公子にしか見えない。これは価値観の違いだ。
 世代が違うだけで価値観も変わってくることは、生まれた環境が違うので必ず起こりえる。よく母が「今の若い人はわからない」というが、きっと母が若いときにも年輩層にはそう思われていて、私がある程度年をとった時もそう思うのだろう。価値観の違いから表れるこの追いかけっこは、これからも続いていく永遠のレースなのだ。」
 私はNHKで放映されたとき欠かさず見ていたんだ。もちろん家の娘も家内も。